コラム

妊娠中に歯周病になる?妊娠性歯肉炎を予防しましょう

「歯周病」という言葉は聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。歯周病は、歯周病菌による感染症で、歯を支える骨(歯槽骨)が溶かされていく病気です。歯を失う可能性のある怖い病気なのですが、妊娠をきっかけに、歯周病が進行してしまうケースがあります。今回は、妊娠中に起こる特有の歯肉炎「妊娠性歯肉炎」について、また妊娠期と歯周病の関係について詳しく解説していきます。大分市中戸次で歯周病にお悩みの方はダイヤモンド歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。

1.妊娠性歯肉炎とは

「妊娠性歯肉炎」とは、妊娠中のホルモンのバランスの変化によって起こる歯肉炎のことです。妊娠してから、「歯みがきの時の出血が気になるようになった」「何となく口の中が血の味がする」という場合は、もしかしたら妊娠性歯肉炎になっているかもしれません。妊娠性歯肉炎の原因は、通常の歯周病と同じ歯周病菌ですが、その中でも妊娠中はプレボテラ・インターメディアという細菌が強く関与していると言われています。「妊娠性歯肉炎」という言葉がついていますが、症状そのものは普通の歯肉炎と同じです。歯ぐきが赤くなる・腫れる・歯ぐきから出血するなどの症状が見られます。妊娠性歯肉炎のほとんどが、出産後に治ってきますが、中にはそのまま本格的な歯周病へと移行してしまうケースがあるので注意が必要になってきます。

2.妊娠中に起こるお口の変化

先に解説したように、妊娠中はホルモンバランスの変化で歯肉炎になりやすくなります。また、唾液の分泌量が減るため、唾液にもともと備わっている抗菌作用や汚れを洗い流す働きが現れにくくなります。また、普段外で仕事をしていた人が家にいるようになるなどの生活環境の変化や、つわりの影響でだらだらと食べる時間が長くなり、お口の中が汚れ、細菌が繁殖しやすい状態になることも考えられます。妊娠前は、それほどお口の中にトラブルがなかった方でも、妊娠中はお口の環境の変化により、トラブルが起こりやすくなるので注意が必要です。

3.妊娠中のお口のケア方法

ケア方法は、基本的には普段と一緒です。食後・寝る前の歯みがきを丁寧に行い、できれば歯ブラシ以外にも歯間ブラシやデンタルフロス等の清掃補助用具も利用するようにしましょう。しかし、つわりなどの影響で、妊娠前の時のように歯みがきをするのが難しい場合には工夫が必要です。歯みがきを不快に感じるような場合には、次のポイントを参考にお口の中の清掃を行うようにしましょう。

・気分がよい時にサッと歯みがきができるよう目がつくところに歯ブラシを置いておく

・歯みがきができない時は「強めのブクブクうがい」をする

歯にこびりついている細菌は除去できませんが、これだけでも食べかすなどの大まかな汚れは取り除けます。

・下を向いて歯ブラシを行う

喉に近いところに歯ブラシがきたり、唾液が喉の奥に流れると気持ちが悪くなることが多いようです。下を向いて歯ブラシをすることで、多少の不快を軽減させることができます。

・小児用の歯ブラシやワンタフトブラシなどの小さめの歯ブラシを使う

お口の中に物を入れることを不快に感じる場合も多いです。小児用の歯ブラシや、ワンタフトブラシという1束の筆のようなタイプの歯ブラシを使って、できるところをみがくと良いでしょう。

・歯磨き粉をつけない

歯磨き粉は必ずつけなければいけないものではありません。歯ブラシで歯を物理的に擦れば汚れは取れます。歯磨き粉を気持ちが悪く感じる場合には、無理につけなくても良いです。

4.妊婦歯科検診を利用しましょう

妊娠中は、お口の中の環境が変化するため、歯周病や虫歯が悪化しやすくなります。妊娠中でも歯科を受診することができるので、歯科検診を受けることをおすすめします。受診してはいけない時期というのはありませんが、出来るだけ安定期といわれ妊娠中期頃に受診をするのが安心でしょう。自治体によっては無料で「妊婦歯科検診」が受けられますので、お住まいの自治体に確認をしていましょう。

5.早産、低体重児出産のリスク

妊娠している方が歯周病にかかっていると、かかっていない方と比較して、早産・低体重児出産が起こる確率が7.5倍になると言われています。妊娠中に歯肉炎にかかったからといって過度に心配になる必要はありませんが、歯周病が進行している場合には、きちんと治療を行うようにしましょう。妊娠中もクリーニングなどの歯周病の治療は受けることができます。通院できる場合には、しっかりと治療を行うようにしましょう。

・まとめ

妊娠中は、お口の中の環境が変わり「妊娠性歯肉炎」を発症しやすくなります。ほとんどの場合は、出産後に治ってくるので、それほど心配する必要はありません。しかし、本格的な歯周病に移行してしまうと厄介です。出産後はなかなかゆっくり通院できない事も多いでしょう。妊婦歯科検診を受け、妊娠中・出産後にどのようにお口のケアをしていったら良いのかを知っておくと安心です。歯周病でお悩みの方は、大分市中戸次にあるダイヤモンド歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。

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