予防歯科について

予防歯科とは、歯が痛くなってから治療するのではなく、痛くなる前に虫歯や歯周病等の歯の病気を予防する事です。
大前提、虫歯や歯周病にかからなければ、歯が痛むことや歯を失う事もありません。
毎日のケアで歯を健康に保つことで、生涯に渡りご自身の歯を保てるため、歯が抜けてしまうのは老化や加齢が原因ではないのです。


定期健診を受けましょう

70歳で日本人の歯の平均残存数は15本と言われています。
大人の歯の本数は親知らずを抜いた場合で28本です。
比べて予防歯科の先進国では平均残存数が25本となっています。ほとんどの歯が残っており、70歳になってもご自身の健康的な歯を保っているそうです。
これは予防歯科に対する考え方の違いが大きく結果を変えています。
日本人は、「痛くなったら通う」事が多いですが、予防歯科の先進国では「痛くなる前に予防のため、歯医者に通う」という考えが根付いているためです。
歯科検診

歯を失ってしまう原因

歯を失う原因は大きく2つ。”虫歯”と”歯周病”です。
一般的に歯は奥歯から失われる傾向にあり、比較的若いうちは虫歯で失われる事も多く、残った歯が少なくなるにつれて、歯周病で失われる歯が多くなります。
すなわち、”虫歯”と”歯周病”をいかに防いでいくのか。が重要です。
歯を失う原因は?

予防歯科で行うプロケア

プロケアは、定期的な歯科検診を通じて歯科医師や歯科衛生士が行う口腔ケアのことです。

口腔内検査

口腔内検査では、特に「歯周病の診断」と「虫歯の確認」を行います。虫歯の確認は、歯科医師が口内状況を確認したり、レントゲンを用いて検査を行います。
歯周病の診断には、歯周ポケットの深さを測定するための器具を使用します。歯周病は初期症状が見つかりにくく、発見時には既に進行していることが多いため、口腔内検査はとても大切です。

口腔内検査

歯のクリーニング(PMTC)

歯に付着したプラークや歯石を除去するために歯のクリーニングを行います。プラークの食べ物の残り、唾液、細菌がかたまって形成される柔らかい汚れであり、歯石はこのプラークが時間を経て硬化したものです。
クリーニングを歯医者で行う主な目的は、プラークや歯石が歯茎の病気や歯周病を引き起こす可能性があるためです。歯石は日常のブラッシングやフロスを使用するだけでは除去できないため、専門的な技術による処置で虫歯や歯周病の予防することができます。
さらに、患者様が自分のお口の中の衛生状態を把握できるように、クリーニングの前に染め出しを実施することがあります。

歯のクリーニング

ブラッシング指導

歯科医院では、患者様のニーズに合わせたブラッシング方法や食生活の指導を行います。指導内容は一人ひとりによって異なり、効果的な口腔ケアを目指して、正しい歯ブラシの使い方やフロス、歯間ブラシなどの口腔ケアグッズの使用方法を伝えます。
ご質問がある場合は、遠慮なく相談してください。
さらに、おやつの取り方や食事後の歯磨きのタイミングに関する指導も行います。食生活は虫歯発生に大きく関わるため、虫歯のリスクが高い人は、日常の歯磨きと食習慣の見直しも必要です。

ブラッシング指導

フッ素塗布

フッ素には虫歯を防ぐ効果があり、世界的でも認められている安全な成分です。歯のクリーニング後にフッ素を塗布することで、効果的に虫歯を予防することが可能です。虫歯になりやすい人には、定期的なフッ素の使用がおすすめです。

フッ素塗布

セルフケア

予防歯科とは、専門家による歯科医院でのケアにだけではなく、自分自身で実践する歯磨きも含まれます。実際、正確で効果的な歯磨き方法を行っている人は意外と少なく、多くの人がプラーク除去の方法をできていません。
歯科医院では一人ひとりの患者様に適切な歯磨き方法をお伝えし、自宅でのセルフケアをサポートします。適切な歯ブラシの選び方だけでなく、フロスや歯間ブラシを用いた口腔ケアの重要性もお伝えします。効果的なブラッシング方法について学ぶためにも、一度歯科医院での指導を受けることをおすすめします。
セルフケア

予防歯科のメリット

1.口腔内のトラブルを未然に防ぎます。

虫歯や歯周病は、早期に発見して進行させずに治すことが重要です。
初期の虫歯や歯周病があった場合でも、定期検診を受けて早期発見、早期治療ができ、軽い治療で治すことができます。

歯ブラシ

2.お口の中がすっきりして口臭予防にもなります。

予防歯科で受けるプロフェッショナルクリーニングでは、歯についた汚れをきれいに落としたり、歯垢(プラーク)が付きにくいように歯の表面をツルツルに磨き上げます。

ブラッシング指導

3.治療の痛みや費用を軽減できます。

進行してしまった虫歯や、歯周病の治療は痛みを生じる場合があり、治療費も高額になってしまいます。
定期的に検診に通う事でその分費用が掛かると思われがちですが、実は定期検診に通っている方の方が治療費を抑えることが出来ます。

歯科衛生士